Bloom 8 恋は盲目でも、

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最近は随分とスキンシップにも慣れてきて、これくらいのことなら身構えることもなくなってきた。むしろ喜びの方が大きい。 テーブルに雑炊をよそった器を置き、諏訪くんを呼ぶ。笑顔を見せる彼の体調は心配だったものの、ひとまず普通に食べてくれてホッとした。 「雑炊って久しぶりに食べたな」 「本当? 私、昔から好きで、よく作ってたんだ」 なんてことはない、簡単なもの。鍋に入れたご飯に水と調味料を加えて煮込み、溶き卵を回しかけて刻んだねぎを散らすだけ。今日はだし汁と醤油ベースで作ったけれど、ひとり暮らしのときはめんつゆで代用していた。 食欲のないときや体調が悪いとき、それに精神的に参ってしまったときでも、この卵雑炊だけは少しは食べることができ、随分と助かったものだ。 「いいな、これ。食べやすいし、なによりもうまい」 「よかった。おかわりもあるよ」 「じゃあ、もらおうかな。これならいくらでも食べられそうだし」 安堵の笑みが零れる。トラブルがどうなったのかはもちろん、諏訪くんの体調が心配だったけれど、彼はおかわりした分も綺麗に平らげてくれた。 いつもは朝食後にコーヒーを淹れるけれど、徹夜明けの諏訪くんの胃には悪そうで、今朝は温かいほうじ茶を出した。彼は一口飲み、力が抜けたように微笑んでいた。
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