Bloom 1 縁は異なもの味なもの……?

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「ほら、志乃も座りなよ! 諏訪くんは志乃の隣に座って」 「ああ」 テキパキと席順を決めていく敦子は、私に笑みを向けた。 高校時代の淡い恋。私の想いを知っていたのは、彼女だけだ。 深い意味はないと思う反面、隣に座るように言われて戸惑った。 「香月、座らないの?」 「あ、ううん……。えっと、座るよ」 椅子を引いてくれた諏訪くんに、どぎまぎしながらも微笑んで見せる。 肩が触れるほど近いわけじゃない。それでも、下手に動けばきっと体のどこかが当たってしまう。 そう思うと、石のように動けなくなった。 「なに飲む? アルコールは平気?」 そんな私の目の前に、彼がメニューを広げて見せてくれる。小さく頷けば、ふわりと微笑まれた。 胸がきゅうっ……と締めつけられる。 あの頃よりもずっと大人になった諏訪くんの笑顔に、まるで心が捕らわれる気がした。 もう恋心はないはずなのに、私の唯一の恋だったせいか、どうしたって平静を装えない。 彼の隣にいると、心臓が持たないんじゃないと思うくらいだった。 (こんなことなら、もっとちゃんとヘアセットすればよかった……。服も変じゃないかな? どこかおかしかったりしないよね……?) ひとり動揺でいっぱいの私を余所に、いつもの女子会とは違う飲み会が始まった。
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