Bloom 1 縁は異なもの味なもの……?

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誰が言い出したのか、早々に近況報告をすることになり、それぞれの状況を語っていく。 女性陣の現状は私も知っていて、みんな変わらず、OL、看護師、アパレル関連……と様々な職業に就いている。 男性陣は、川本くんが外資系、残りのふたりはサービス業なのだとか。 「ちなみに、諏訪はすごいよ! こいつは今、自分の会社を経営してるからね」 「ええっ⁉ 社長ってこと⁉」 「やだ、諏訪くんすごいじゃん!」 諏訪くんの代わりに川本くんが答えると、友人たちの声が高くなり、明らかに目の色も変わった。 私は驚きつつも、諏訪くんの方を見られない。 「お前が答えるなよ。会社って言っても小さいし、別にすごくないよ」 (諏訪くん、夢叶えたんだ……) 盛り上がるみんなを余所に、私は胸が熱くなる。 きっと、諏訪くんはもう覚えていないだろうけれど、高校時代に彼とお互いの夢を教え合い、色々と話したことがあった。 私にとって大切な思い出であり、今もまったく色褪せていない。 つらいときや美容師を辞めたいと思ったとき、諏訪くんが卒業式の日に『頑張れ』と言ってくれたことを何度も思い出し、踏みとどまることができた。 もっとも、それも今年の三月までのことだけれど。 「そういえば香月は? 今なにしてるんだ?」 「えっ……? あ、えっと……」 ぼんやりとしていると、唐突に川本くんに話題の矛先を向けられた。 悪気はないとわかってはいるものの、みんなの話を聞いたあとだからこそ言い淀んでしまう。
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