Bloom 10 七転び八起きも、あなたの傍でなら

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* * * 瞼に白光を感じて、眉を顰める。重怠い体と鈍い意識が、私をどこかに引っ張ろうとする。 そんな中で目を開けると、すっかり見慣れた天井が視界に入ってきた。 「……翔?」 隣にいたはずの翔の気配を追えば、ベッドの半分は空だった。シーツに触れてみると温もりは残っていなくて、彼が随分前にそこから抜け出したことを語っている。 いつもは私が起きるまで待っているか、そうじゃないときはキスで起こしてくるのに、珍しいな、と思う。床に落ちていた翔のシャツを借り、リビングに急いだ。 「翔?」 「あ、起きてきちゃったか」 苦笑した彼は、キッチンから顔を覗かせた。その手にはフライパンを持っている。 「オムレツって意外と難しいんだな」 フライパンの中では、ミンチ肉や玉ねぎと一緒に卵も混ざっている。お世辞にもオムレツとは言いがたい状態だった。 「でも、いい匂いだよ」 「味つけには自信がある。見た目は……あれだけど」 「いいじゃない。翔が作ってくれたことが嬉しいよ」 「じゃあ、食べるか」 翔が作ったオムレツもどきを器に移して、テーブルに移動する。いつものように「いただきます」と声を揃えたあと、スプーンで掬って口に運んだ。
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