Bloom 11 あなたとの恋路は縁のもの

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「上手くいきそうだよ。やっと理解してくれる会社が出てきたんだ」 「おめでとう! よかったね!」 今回の企画は、電子書籍関連のアプリ開発なんだとか。 各サイトで購入したものを纏めて表示でき、どの電子書店でなにを購入したのかが一目瞭然になる、ありそうでなかったアプリだ。お知らせ機能もあり、新刊の発売日などの通知もしてくれる。 電子書籍市場が大きくなった近年にぴったりのアイデアだ。 「まぁ、一年がかりでようやくスタートラインに立てたところだけどな」 ただし、これには電子書店との連携が必要で、ライバル社同士の兼ね合いなどもあり、一向に前に進まないと聞いていた。 『初めて話を持ち込んだときは、どの会社でも門前払いされた』と話していた翔の苦労は、私の想像以上だったに違いない。 「でも、試作はしてたから、あとはそれをベースにもっといいものを作り上げて、バグを潰すだけだ」 これは鵜崎副社長と水面下で進めていたらしく、すでに試作用のアプリをふたつ用意しているとのことだった。 そのため、リリースは早ければ半年以内になるようで、翔と副社長はこの案件を最優先で進めているらしい。 「この件では、本当に篠原に助けられたよ。話を通すためのコネ作りや、アポ取りから先方の重役の性格や特徴のリサーチまでやってくれたんだ」
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