Bloom 11 あなたとの恋路は縁のもの

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七月最後の日、私はようやくオーナーからもアシスタントとしての合格をもらえ、来週にはスタイリストデビューのための試験を受けることになった。 残念ながら最短の三ヶ月では合格がもらえず、南青山店でのアシスタント業を一ヶ月延長しなければいけなかったけれど、なんとか乗り切れてホッとした。とはいえ、気を抜くことはできない。 試験は八月五日から七日で、十日に結果が伝えられる。それに合格できれば、お盆休み明けからはドゥシュールのスタイリストだ。 施術を受けてくれるのは、ふたりのアシスタントスタッフと夏さんになった。審査する側の髪を切ることになるのは予想外だったものの、私に選択肢はない。 「おめでとう。これでまた一歩、スタイリストデビューに近づいたんだな」 帰宅後、すぐに翔に報告すると、彼は心底喜んでくれた。 「うん。試験のことを考えると緊張するけど、頑張るよ」 「志乃がドゥシュールでスタイリストデビューしたら、今度こそ一番最初の客になりたいな。さすがに仕事は休めないし、難しいだろうけど」 「土日にデビューさせてもらえたらいいんだけど、たぶん難しいかな」 「そうだよな。そういえば、志乃がスタイリストデビューして一番最初に担当した客って、どんな奴だった? もしかして男だった、とか?」 最後の質問の中にわずかな嫉妬が見え隠れし、クスッと笑ってしまう。
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