Bloom 2 災い転じて同居が始まる

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「それで、引っ越し先が決まるまでの間だけお世話になるつもりだったんだけど、結局は一ヶ月も居座らせてもらってて……。そんな状態だから、本当は今日も参加するつもりじゃなかったんだ。仕事先も家も、早く探さないといけないし」 「赤塚、引っ越すって言ってたよな?」 「うん。今の部屋は今月いっぱいまでなの」 敦子はさっき、引っ越しの件と婚約したことを報告していた。私はそれに補足をした上で、「でもこれまで助けてもらっただけでも充分すぎるから」と笑う。 「香月はそのあとどうするつもり?」 「本当は仕事が決まってから家を探したかったんだけど、悠長なことは言ってられないし、ひとまず来週にでも家を決めてしまおうかなって。仕事よりも先に家を決めるのは、ちょっと不安なんだけどね。でも、実家も頼れないし、それが一番かなって」 このまま無職の状態が続けば、マンスリーマンションは不経済だ。もちろん、そんな想像は現実にならないでほしいけれど。 それに、できれば東京(とうきょう)にいたいという気持ちがある。いつかまた、美容師として復帰したい思いは少なからずあるし、そのときには都内の店で働きたい。 やっぱりファッション性や最先端の技術なんかは、東京は地方とは一線を画するからだ。もともと、そのために上京を視野に受験をし、東京の専門学校とサロンを受けたという経緯もあって、このタイミングで出戻るのは嫌だった。
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