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翌朝、事の始終を敦子に話すと驚かれたけれど、「よかったね」と笑ってくれた。
「諏訪くんなら信頼できるし、なにかあっても助けてくれるんじゃない? それに、知り合いの会社で働ける方が、志乃だって心強いでしょ」
「でも、ここまでしてもらっていいのかな。ただの同級生ってだけで、こんなに良くしてもらうのは申し訳ないっていうか……」
気がかりなことを口にすれば、彼女が明るい笑みを浮かべる。
「なに言ってるの! 本人がいいって言ってるんだからいいじゃない。志乃はなんでも自分でどうにかしようとしすぎるから、諏訪くんみたいな人が傍にいてくれる方がいいんだよ。ついでに付き合っちゃえば?」
「え……?」
「だって志乃、高校のときずっと諏訪くんに片想いしてたし」
チャンスじゃない? なんてニヤニヤする敦子に、ボッと顔が熱くなる。
「そんなの、昔の話だから……!」
「でも、本当はまだちょっと忘れられないよね? 昨日だって緊張してたみたいだし」
「だって、久しぶりに会ったし……。その……すごくかっこよくなってたし……」
「しかも、志乃の話になったとき、すかさず優しくフォローしてくれたし? 変な男に絡まれてるところを助けてもらったし?」
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