Bloom 3 遠くの親類より再会した初恋の人?

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恋愛のことはともかく、確かに諏訪くんは怖くない。きっと、高校時代に優しくしてもらったことと、飲み会の日に助けてもらったことが大きな理由だろう。 とはいえ、それだけで同居をするなんて考えられない。 もっとも、敦子の言う通り、荷物はすでにすべて運び込んでいる。彼が昨日のうちにレンタルスペースをもう一往復してくれることになり、私は言われるがまま受け入れてしまったのだ。 「それにほら、遠くの親類より再会した初恋の人、っていうか?」 「それを言うなら、『遠くの親類より近くの他人』でしょ」 「細かいことはいいの。とにかく、今は諏訪くんに甘えなよ。志乃、最近は平気そうにしてたけど、飲み会のときみたいに男に絡まれたらやっぱり体が竦むんでしょ?」 「……うん」 「だったらなおのこと、信頼できる人に傍にいてもらった方がいいよ。私は引っ越すし、もしそうじゃなくても女同士よりも防犯効果は高そうだもん」 彼女は「ね?」と首を傾げ、優しく瞳を緩めた。 「別にずっと一緒に住むわけじゃないし、家が広いならある程度プライバシーも守られるだろうし。そんなに気負わずに甘えて、お礼にご飯でも作ってあげれば?」 志乃は料理が得意じゃん、と言われて、ようやく私からも小さな笑みが零れる。 諏訪くんはただの同級生だからこそ、ここまで親切にしてもらうわけにはいかないと思うけれど、幾分か気持ちが軽くなった。 彼は今日、早く帰ってくると言っていた。敦子のアドバイス通り、夕食の支度をして待つことに決め、彼女の昼休みが終わる前にお礼を言って別れた。
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