Bloom 1 縁は異なもの味なもの……?

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日がすっかり暮れた、二十時過ぎ。 「ただいま~! あー、お腹空いたぁ……」 1LDKのアパートに、高校時代からの親友――赤塚敦子(あかつかあつこ)の声が響いた。 「おかえり。晩ご飯できてるよ」 「さすが志乃! ムカつく上司と違って天使に見える!」 「居候させてもらってるんだもん、これくらいしないと」 「それは言わないの!」 彼女はムッとした顔を見せたあと、「晩ご飯はなに?」と笑った。 「今日はチキンカレーです」 「やっぱり! カレーのいい匂いがしてるもんね」 敦子がメイクを落とす間にカレーを温め直して盛りつけ、冷蔵庫に入れておいたサラダを出す。 程なくして、洗面所から戻ってきた彼女とローテーブルを挟んで、「いただきます」と手を合わせた。 肩の力を抜いたように「おいしい」と連呼する敦子に、重苦しかった心が癒される。 「ところで、志乃はどうだった? ハローワークに行ったんでしょ?」 中小企業の経理部で働く彼女は、ひとしきり愚痴を零したあとで話を振ってきた。
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