Bloom 1 縁は異なもの味なもの……?

7/18

7877人が本棚に入れています
本棚に追加
/205ページ
四号サイズのデコレーションケーキに、ピザとデリサラダ。生ハムやチーズ、サラミにスナック菓子、シャンパンとサングリアまである。 今日の夕食は、敦子がテイクアウトしてきてくれることになってはいたけれど、その量に驚かされてしまった。 「買いすぎじゃない?」 「いいの! 誕生日なんだし、志乃はずっとつらい思いしてたんだから、今年は思い切り祝ってあげるって決めてたの! ちなみに、今日のこれは前夜祭みたいなものだから。本番は金曜日の夜ね! 外で食べよ!」 「え? さすがにもう充分だよ? プレゼントももらったし、これだけのご馳走も用意してくれたんだし」 「ダメダメ。もう予約入れちゃってるから」 誕生日当日に前夜祭だなんて変な感じだけれど、彼女が私を元気づけようとしてくれていることが伝わってくる。 それが嬉しくて、笑顔でお礼を言った。 シャンパンで乾杯をしてからおいしい料理を堪能して、お腹がはち切れそうなほど食べたあとは、ふたりで床に寝転んだ。 「うぅ……もうダメ」 「ケーキがきつかったねぇ」 「でも、おいしかったよ。ありがとう」 女性ふたりでは到底食べ切れないと思っていたのに、スナック菓子以外は綺麗に平らげてしまった。 シャンパンとサングリアのせいで、お互いに顔は真っ赤だ。
/205ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7877人が本棚に入れています
本棚に追加