7877人が本棚に入れています
本棚に追加
/205ページ
四号サイズのデコレーションケーキに、ピザとデリサラダ。生ハムやチーズ、サラミにスナック菓子、シャンパンとサングリアまである。
今日の夕食は、敦子がテイクアウトしてきてくれることになってはいたけれど、その量に驚かされてしまった。
「買いすぎじゃない?」
「いいの! 誕生日なんだし、志乃はずっとつらい思いしてたんだから、今年は思い切り祝ってあげるって決めてたの! ちなみに、今日のこれは前夜祭みたいなものだから。本番は金曜日の夜ね! 外で食べよ!」
「え? さすがにもう充分だよ? プレゼントももらったし、これだけのご馳走も用意してくれたんだし」
「ダメダメ。もう予約入れちゃってるから」
誕生日当日に前夜祭だなんて変な感じだけれど、彼女が私を元気づけようとしてくれていることが伝わってくる。
それが嬉しくて、笑顔でお礼を言った。
シャンパンで乾杯をしてからおいしい料理を堪能して、お腹がはち切れそうなほど食べたあとは、ふたりで床に寝転んだ。
「うぅ……もうダメ」
「ケーキがきつかったねぇ」
「でも、おいしかったよ。ありがとう」
女性ふたりでは到底食べ切れないと思っていたのに、スナック菓子以外は綺麗に平らげてしまった。
シャンパンとサングリアのせいで、お互いに顔は真っ赤だ。
最初のコメントを投稿しよう!