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居宅ケアマネはいずこ③
和代、母が家を出たのは夕方4時、それまで色々な人が来た。
私は一日中、膝を抱えていて
時々誰かが私に何か質問をしてきても
「はい・・・はい」
と返事した記憶しかない。
どんな罵声を浴びせられるのか、どんな風に裁かれるのか、どんな風に思われるのか。
そう思って怯えていたら、私は何も考えられなくなってしまった。
あっけないものだ。
今頃、私はパトカーで連行されて取調室でかつ丼でも食べていると
思っていた。
なんて事はない、私は自分の家で一人で膝を抱えている。
今日は色々な人が来たけど、みんな帰っていったし
私が捕まる事もないそうだ。
母は市が保護するという事で措置(そち)施設という所に
行ったらしい。
「何で私が出るのよ!」と母は憤っていたが、周囲になだめられて
車に乗った。
心が解き放たれる。
和代の世話もしなくていいし、逮捕されるのだのなんだのと
大げさに心配し過ぎたようだ。
結局は家賃の無い家に一人暮らしが約束された。
一人様ライフが始まる!
紆余曲折を経て、色々とまいったが結果オーライではないか。
私は母と「二人きりでの面会、接近の禁止」と行政処分を受けた。
普通の母娘なら厳しい処分かもしれないが私にとってはノーダメージだ。
明日からの仕事は頑張れそうな気がする。
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