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総集編。
片頭痛持ちに大量の赤ワインは相性が悪い。
信子は頭痛で目を覚ます。
知らない所だ。ここはどこだ?
その前に頭痛薬を飲まないと。
私の鞄はどこだ?
辺りを見回して鞄を見つけると、頭痛薬を取り出して水と一緒に
流し込む。
5分もすれば痛みは引いて思考回路が動き出す。
それと同時に全部察する。
衣服は整っているがヤられたと分かる、そういうものだ、確信がある。
悦男の姿は無いが、ここのホテルの代金だろうものがテーブルに
置いてある。
信子は衣服を脱いですぐにシャワーを浴びる。
注ぎ落すように、いくら体をさすっても
精神的ショックがじわじわと大きくなっている。
何がそんなにショックなのか。
もちろん同意も無く体を弄ばれた事によるショックは大きい。
それと・・・
たかだかアパート賃貸の保証人になってもらう為程度の目的で
とった行動がまさかこんな結果を招くなんて・・・
とても惨めな気持ちにさせられた。
自分の価値が酷く安くなっていると思うとただ悲しかった。
そして酷く冷めた感情で物思いにふける。
下らない、今更犯されたと騒ぐ気にもなれない。
だけど家に帰ってじっとしていると、このショックと強制的に
向き合う事になりそうで帰りたくなかった。
とはいえ、悦男と行為に及んだこの場所からも一刻も早く立ち去りたい。
信子はホテルを出る。もう昼過ぎ、飲み過ぎで荒れた胃は
食欲を感じさせなかった。
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