ほたるのうんめい

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「はぁ・・・ぁ・・・っ」 合わせた唇の隙間から、蛍一の濡れた息が漏れる。 身体がまた登り詰め始める。 オレは前をゆっくり扱いてやりながら、後ろにも手を伸ばす。 発情期程ではないが、そこは迎え入れるのに十分なほど濡れている。 オレはその周りの襞を優しく指で撫でながら、中指をそっと差し入れてみる。 その感触に蛍一の身体が跳ねるもかまわず指を進める。 本当に初めてなんだな。 オメガゆえに中は濡れているが入口が狭い。 蛍の時もそうだった。 特に蛍は最初怖がってなかなか力が抜けずに苦労したが、蛍一はオレに全てを委ねてる。何度か指を出し入れしただけで少し綻んできた。これが経験者だったなら指を増やすところだが、初めての蛍一にはことさらゆっくりことを進める。 先ずは指を一本のまま中を探るように動かし、痛くないことを分からせてやりながら、蛍一のいいところを探してやる。 唇を離して蛍一の様子を見ながら中を探ると、中で指がゴリっと触れた。その瞬間、蛍一は閉じていた目を開けて一際大きく声を上げた。 「ああっ」 初めてのその感覚に怯えた表情をする蛍一を宥めるように優しくキスをし、耳元で囁く。 「大丈夫。そのまま快感に身を委ねて」 その言葉に懸命に頷き、閉じる瞳の目尻から涙が零れていく。その涙を舌で絡め取りながら前を扱き、後ろの指を増やした。 中を広げるように二本の指を別々に動かし、時折前立腺を刺激してやる。慣れた身体ならそこを執拗に責める所だが、初めての蛍一には刺激が強すぎる。それでも身体をぴくぴくさせてオレの言う通りひたすら快感を追う蛍一は、再び限界に達しようとしている。 このまま出させてやるか・・・。 けれど、オレももう限界だった。オレは指を増やし三本にすると、優しく、けれど先程より早く抽挿を繰り返し、中を広げていく。蛍一は身体の限界が近づくにつれて嬌声も激しくなり、身体を仰け反らせていく。そして、オレは指を引き抜いて自身の昂りをそのにあてがった。その瞬間、半分意識を飛ばしていた蛍一の目が開き、オレを見る。そんな蛍一の両膝を抱えあげ、オレはゆっくりと身を沈めていく。 身を硬くする蛍一の耳を舐め、前を扱いてやる。 「息を吐いて。ゆっくり息をして」 蛍一はオレの言葉に従うように口を開け、詰めていた息を吐いた。そしてゆっくり吸うとまた吐く。オレはそのタイミングで少しずつ身を沈め、ようやく全てをおさめることができた。そしてそのまま、蛍一の身体が馴染むまでじっとしてやる。
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