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「先生のせいですよ! それにどうして何も着てないの? 意味がわかんない」
羞恥と今の状況の整理がつかなくて、とりあえず罵声を浴びせれば相変わらず可愛い顔で望月先生は私をジッと見る。
「なによ!」
何か言いたそうな彼に、私は言葉を投げつける。
「何も。病院と違って可愛いなって。柚葉さん、男にあまり慣れてませんよね」
「なっ、慣れてる慣れてない関係ないじゃない。誰だってこんな状況になれば慌てるでしょ!」
言い放った私に、彼は少し考えるような表情を浮かべた。もしかしたらイケメンはこんなことよくあることなのかもしれない。
ましてや年上の女なら、サラリと交わすのだろうか。そうは思うも、私はこんな経験は初めてだ。
言い訳のように言っていた私に、静かに彼は笑う。
それがまた嫌味なほど、寝起きのはずなのに様になっている。
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