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少しずつ望月君と一緒に居る時間に慣れ、甘い日々が続いている。
仕事が終わり、更衣室でそっとスマホを見れば彼からメッセージが入っていた。
【今日の夜は知り合いと用事があるからいけない」
泣いている絵文字と一緒に送られたメッセージ。内緒の社内恋愛というのはこんな気持ちなのだろうか。
彼からの何気ないメッセージについ、顔がにやけてしまう。
今日はうちに来ないことが少し寂しいが、こうして連絡をくれる関係がなぜかくすぐったい。
嬉しいさと少しの恥ずかしさで、私は自分のロッカーの前でクスリと笑い声をあげた。
「櫻町、気持ち悪い。最近どうしたのよ?」
隣で着替えていた恭子の言葉に慌ててコホンと咳ばらいをして、私は慌てて平静を装うとスマホをバッグにしまう。
「久しぶりにご飯食べに行かない?」
今日は来ないとわかっているし、たまには手抜きもしたいと私は恭子に言葉を掛けた。
「いいね。いつもの所行こうか」
食べることが大好きな恭子も同意すると、私たちは病院を後にした。
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