第1話

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唇が触れるそう思ったところで、目の前から望月先生が消えた。 「え!」 つい声が漏れるも、肩に重みを感じて我に返る。 私の上に倒れ込むように、望月先生がすやすやと寝息を立てているのがわかった。 「もうなによ! やっぱり酔ってたんじゃない!」 きっと聞こえてなどいないだろうが、私は叫んでいた。 のしかかる重みから抜け出そうとするも、顔はかわいくても男の人だ。 体重も重いし、見かけよりがっちりとした体形に、私は少し身体をずらすことしかできない。 「重い!」 力いっぱい胸を押せば、彼は「うーん」といながらころんと私の横へと移動した。 ようやく抜け出せると思い、動けばなぜか抱き枕と勘違いされたのか、今度はギュッと抱きしめられる 「もう!」 そんな私の苦情などまったく聞こえていないようで、望月先生はすやすやと眠っているようだった。 なんなのよ。そう思うも私もかなりアルコールを飲んでいたこともあり、ゆっくりと意識を手放した。
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