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唇が触れるそう思ったところで、目の前から望月先生が消えた。
「え!」
つい声が漏れるも、肩に重みを感じて我に返る。
私の上に倒れ込むように、望月先生がすやすやと寝息を立てているのがわかった。
「もうなによ! やっぱり酔ってたんじゃない!」
きっと聞こえてなどいないだろうが、私は叫んでいた。
のしかかる重みから抜け出そうとするも、顔はかわいくても男の人だ。
体重も重いし、見かけよりがっちりとした体形に、私は少し身体をずらすことしかできない。
「重い!」
力いっぱい胸を押せば、彼は「うーん」といながらころんと私の横へと移動した。
ようやく抜け出せると思い、動けばなぜか抱き枕と勘違いされたのか、今度はギュッと抱きしめられる
「もう!」
そんな私の苦情などまったく聞こえていないようで、望月先生はすやすやと眠っているようだった。
なんなのよ。そう思うも私もかなりアルコールを飲んでいたこともあり、ゆっくりと意識を手放した。
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