第1話

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この人はいつも見ている人と同じだろうか? 柔らかなイメージで、いつも小児科で子供たちに優しい笑みを浮かべているその人が、今目の目にいる彼とどうしても同じだと思えない。 「誰?」 つい言葉にしてしまった私に、目の前の人は意外そうな表情を浮かべた。 「誰ってどういう意味です?」 それはそうだろう。どこからどうみても望月先生なのに、感じる雰囲気はまったく別ものでつい言葉にした私だったが、どこからどうみても彼は望月先生だ。 「いえ……」 言葉を濁し、視線を外したがそれを追うように、望月先生の瞳が目の前にあった。
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