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「そういえば今日の望月先生の担当櫻町でしょ。いいな」
妄想するんでしょ。そんなことはこの場で口には出せず、私はため息交じりに答える。
「別に望月先生でも誰でも同じよ。彼が可愛いいからって私が何か得するわけじゃないし」
「そっか、櫻町はやっぱりこの間の婚活で出会った、千堂さんみたいな人がタイプだもんね」
いきなり爆弾を落とした恭子の顔を見上げると同時に、バチっとその噂の彼と視線が合ってしまった。
「本当にそうですよ。可愛いからっていいことはないです」
「望月先生……」
まさか本人がそこにいるなどとは全く思っておらず、私は唖然として固まってしまう。
「あっ、櫻町、私もう行くね」
「え! ちょっと!」
そそくさとこの場を逃げるように行ってしまった恭子を、引き留めるも自分の持ち場へと行ってしまった。
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