この世の真理

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デザインが気に食わなかった。らしい。 確かに注文通りに作ったのに、 確かに、ある意味注文の多い料理店さんだったから気にはしてたけど、 確かな理由も曖昧なまま、 契約が破棄された。らしい。 まあ要するに、絶賛公開処刑され中の同期が 依頼を請けて仕事も仕上げたのに、 急にそれを断られたって話で。 お金ももらえなければ、 こちらが仕上げたものもお渡しできないので、 厳密には違うけど、9割タダ働き的な。 だけど、彼は確かに時間を浪費しているわけで。 私も、お金も時間も無駄にしたくない気持ちは同じなので、 気分は決して良くはない。 こういうとき、 私なら真っ先に自分のやっていたことに意味を持たせる努力をする。 「今回の仕事のおかげで、世に出さずにあたためることとなった、素敵なデザインがほらここに。」とか。 「デザインの練習的なやつですよ、こんなの。まったく、良い引き出しができちゃって困ったなあ。」とか。 いや皮肉じゃん、とかはなしで。 だけど今、その立場にいるのは同期であって私ではない。 同期と先輩の二者面談。 先輩は不機嫌、同期は怯えている。 そのピリピリした空間を共有せざるを得ないのだからやっぱり私も、 気分は決して良くはない。
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