完璧な小説

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   その後も、いろいろな人に小説を読んでもらった。  でも、誰に読んでもらっても私の小説は不評だった。小説を読み終わるとなぜか、誰もが眉根を寄せて私を睨んでくるのだ。どうやら私の小説には彼らの逆鱗に触れる点がたくさんあるらしい。  それらのすべてを小説に反映し続けていたら、いつのまにか注釈が膨大になってしまった。  ※この小説はリラックスできる衣服を身につけ、腹八分目の状態で読むことを推奨しております。  ※この小説はフィリピンメガネザルにトラウマがある方でも安心してお読みいただけます。  ※この小説は手足のむくみを軽減する効果はございません。  ※この小説は児童手当制度に関する記述はありません。詳しくはお住まいの市区町村にお問い合わせください。  3000文字の短編なのに、気づけば注釈の方が長くなってしまった。  これでいいのだろうか。でも、今の世の中これくらいの方が安心できるのかもしれない。小説を読んで過去のトラウマを思い出したり、期待していた内容と違ってイライラしてしまうのは悲しいことだ。  結局、注釈を付けたままコンテストに応募した。  
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