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23. 終業式の後に
（来月入ったら何植えんだろ。春はやることいっぱいあって楽しいってメガネ君言ってたな）
終業式の最中、そんなことを考えていた。
体育館に集まって整列し、退屈な校長の話にあくびを噛み殺す。
4月になったら園芸部のみんなで花見とかイイんじゃね。先生絶対嫌がるから逃げられないようにしないと。
俺を巻き込むなって面倒くさそうな顔をする曽我先生が目に浮かぶようで、想像しながら思わず笑ってしまいそうになった。
毎度お約束な感じで終業式が終わると、そのあとその流れで年度末に行われることが始まる。
春休み先生どうしてるか聞きに行きたいし、早く終わんないかなあって思いながら何となく檀上を見ていた俺の目に映ったもの。
――え。
体育館のステージ上に数名が並ぶ中、他の人より頭一つ背の高いその人は、長い脚を肩幅に開いて手を後ろに組んで立っている。
いつもしてないネクタイを締めたスーツ姿の長身。
――──ウソだろ。
終業式が終わりその後に始まること。
それは…………、
今期で異動、退職する先生の離任式だった。
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