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ヘンな噂流れたりしなくて、生徒指導の先生が動くようなことにならなかったら、もっと先生はこの学校にいたんじゃないかって。
少しでも一緒の場所いたくてここに来てたことが、結果もう一緒にいることができなくなる原因を作ったんじゃないかって――。
俺が男を好きになるヤツじゃなかったら。
俺が先生のことを好きにならなかったら。
そんなのムリって分かってんのに、色んな可能性を考えてしまう。
考えて考えて、でも結局いきつくのは先生への気持ちが止まらない自分。
唇から声に伝わった震えは、握りしめた掌へと広がった。
先生。
本当にいなくなってしまうの?
いつものこめかみのピクピクは?
眉間にシワをよせる先生の顔、見られなくなるの?
ずっと見ていたかった人がいなくなるという事実が怖くて、逆に今目の前にあるその顔を見ることができずうつむいていた。
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