ブレスド・ソウル

旅人はスコップを持ってきて、小屋の横に大きな穴を掘った。そして、女の体をそこに入れ、土をかけていく。

すぐ近くの林に、膝の高さくらいの岩があり、それを女を埋葬した場所の上に乗せる。その岩に名前を刻もうと小刀を手にした時、そういえば女の名前を聞いていないことに気づいた。旅人は少し迷った後、そこにブレスド・ソウル－－－祝福された魂と刻んだ。

旅人は、手を合わせ、女に祈りを捧げる。ぎゅっと目をつむり、もう苦しむことのない魂に、想いを馳せた。

しばらくして、旅人は、東の山から朝日が昇っているのに気づいた。太陽は金色の淡い光を大地に投げかけていた。湖を見ると、朝日を浴び、水面がきらきらと輝いていた。それはあまりに美しく、旅人はいつまでもその光景を眺めていた。