ブレスド・ソウル

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次の日の朝、旅人は山へと向かった。昨日来た道を引き返し、途中の二股に分かれているところで、より険しい道の方を進んだ。 昨日の道とは違い、ひたすら上り坂だった。どこまでも木々が生い茂っており、薄暗かった。旅人は何回も休みながら、険しい道を進んでいった。 永遠のように感じた森も、終わりが見えてきた。森を抜けると、視界が一気に開けた。そこには巨大な湖があった。旅人が今まで見たどんな湖よりも広かった。きっと一周するには何日もかかるだろう。湖の向こう側には、白い雪をかぶった山々が連なっている。 少し歩いたところに、小屋はあった。旅人は鍵を開けて中に入る。いくつかの農具と、ベッドが置かれているだけの簡素な部屋だったが、寝泊まりするには十分そうだった。 旅人はその後、小屋の周りで薬草を探すことにした。湖に沿って、背の低い草が生えている。旅人は腰をかがめて、草をよく見ていくが、なかなか良い薬草は見つからなかった。 日が遠くの山に沈み始めた頃、旅人は小屋へと戻る準備を始めた。収穫できたのは、両手で抱えられるほどの薬草だった。それも期待したような薬草ではなかった。 その後、持ってきていたパンを食べた。食後に湖で体を洗ったが、その頃には、空も暗くなり始めていた。旅人は小屋の中に入り、ベッドに横たわった。そして、ゆっくり目を閉じた。
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