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その後、愛華は2人の子供を出産した。
1人目は女の子、2人目は男の子だ。
僕は孫にも恵まれて、愛華はよく孫を連れて僕の家に遊びに来てくれた。
僕は孫の成長する姿を見るのも、とても楽しかった。
83歳になった頃、僕は体調を崩して入院することになった。
病名は肝臓がんということだった。
がんは肺にも転移していて、余命半年ほどだと宣告された。
僕は娘夫婦に、できる限り迷惑をかけたくないと思って、自宅ではなく療養病棟のある病院に入院することにした。
愛華は僕のことを心配して毎日のようにお見舞いに来てくれて僕は心配して、
「あまり無理にお見舞いに来なくていいからね!」
と愛華に伝えた。
すると愛華は笑顔で、
「無理しないから大丈夫だよ!」
と言ってくれた。
愛華は、時々奏風君と孫も連れてきてくれて、病室の中は賑やかで楽しい時間になった。
この頃の僕は、何も思い残すことはないと感じていた。
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