メアリ、走る。

1/4
15人が本棚に入れています
本棚に追加
/4ページ
 メアリは激怒した。  必ず、兄の婚約者だというあの令嬢を排除しなければならぬと決意した。  メアリには政治はわからぬ。政略結婚など、兄を思う心の前には塵と化す。王太子である前に、彼は兄なのである。  メアリはまだ子どもである。王宮の庭を駆け、(まり)で遊ぶことを好んでいる。  けれども、悪意に対しては人一倍敏感であった。
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!