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「これは、澪丸おじさんからのものですね。“地龍に異変の疑い”なんですかこれは?」
「写真も見てみなさい。」
そう促されて、麻里江は写真を取り上げた。
そこには火災で床に穴が開いた場面が映っている。そして、その穴の奥には不思議な図形の紋様があった。
例の紋様だ。
その紋様を見た麻里江の顔が険しくなった。
「なんと見る、麻里江」
「何かの魔法陣かと思いますが。」
「地龍、すなわち龍脈を操る魔法陣とわしは読んだ。」
「龍脈を?しかし、そんなことができるのですか?」
「わからん。だからそれを調べるのだ。」
「わかりました。」
「まずは澪丸のところへ行け。なにか新たな情報が得られるかもしれん。」
「はい、さっそく。」
麻里江は軽く頭をさげると襖を閉じた。
一人座敷に残った老人の口元に笑みが浮かんだ。
「これはわれらが再び世に出るきっかけになるやもしれん。」
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