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近所の本屋でこの町の地図を買うと、食事を兼ねてファミリーレストランに入った。
サンドイッチとコーヒーを頼んだ後、麻里江は地図を広げ、澪丸のアパートの位置を確認した。
(たぶん、この近辺だと思うんだけど…)
“あけぼのこう”という文字をたよりに地図を見ていく。
それは思ったより早く見つけ出せた。
地図の上に記された“あけぼの高校”の文字。
「これみたいね。」
「は?」
サンドイッチを運んできたウェイトレスが、麻里江の発した言葉に驚いた表情を見せた。
「いえ、なんでもないの」
あわてて言いつくろう麻里江の前に、ウェイトレスは怪訝そうな顔をしながら、サンドイッチとコーヒーを置いた。
食事をすませた麻里江は、泊まっていたホテルに戻った。
さっそく北陸の老人に連絡をとる。
「そうか、高校か…」
「その高校になにか秘密があると思います。たぶんあの紋様もその高校にあるかと。」
「その高校に入ってみるか?麻里江。」
「え、転入するのですか?」
「手続きはこちらでする。住むところも手配しよう。」
「しかし、この時期に転入となると相手に怪しまれますが…」
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