2. 招かざる少女 -2-

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 歓迎の言葉を送る細川の目は、好奇心で溢れていた。  麻里江が美少女であることも一因していたが。  「それじゃあ、教室に案内しよう。門脇先生。」  門脇と呼ばれた男性が、教頭のほうを向いた。  ジャージを着た、いかにも熱血先生という体(てい)をした教師であった。  「君の担任になる門脇先生だ。先生、彼女が鷹堂君です。よろしくお願いしますよ。」  「お願いします。」  麻里江は笑顔を見せて頭を下げた。  「よろしく。じゃあ、ついてきなさい。」  そう言って、門脇は先に立って職員室を出た。麻里江も後に続く。    麻里江の教室は2階にあった。  ドアを開けると、生徒たちがきちんと机にむかっている。  門脇が先に入り、麻里江がその後に続いた。  「今日からいっしょに学ぶことになった、鷹堂麻里江君だ。」  「鷹堂麻里江です。よろしくお願いします。」  そう挨拶したあと、教室を見渡した麻里江の目に違和感が映った。  静かだ。  十代の若者の集まりのはずなのに、活気がない。  今の時期に転入したのだから、もっと好奇の目を向けてもおかしくないのに、それもない。  転校生に関心がないのか? 麻里江は奇異に感じた。
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