3人が本棚に入れています
本棚に追加
「やはり、探りにきたようです。」
香田が語りかけた先には、革製の椅子の背もたれがあった。誰かが座っているようだが、椅子の大きさでその姿は見えない。
「どういたしましょうか?」
再度、香田が語りかけた。
「早いうちに始末をしたほうがいいかもしれんな。」
冷酷な返答が椅子の向こうから帰ってきた。
「では、刺客を…」
「相手の実力を知る意味でもしかけてみろ。」
「では、帰り道でも」
そう言うと香田は頭を下げ、校長室から出て行った。
そのとき、椅子の向こうから猫の鳴き声がした。それと同時に白い猫が顔を出した。
「お前の出番はまだだよ。」
色白の手が猫の頭をなでた。
最初のコメントを投稿しよう!