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「校長は速やかに焼け跡を修復したまえ。誰にもあれを見られないようにね。」
「はい、わかりました。」
震える声で校長は答えた。
その名前があがった二人は居酒屋にいた。
陽気にざわつく店内にあって、二人だけは妙に静かであった。
「どうした、清水。さっきから酒が進んでないぞ。」
そう言いながら立樹はビールの口を清水に向けた。
「立樹さん、最近変だと思いませんか?」
立樹の進めるビールにコップを差し出し、注いでもらいながら清水はひっそりと言った。
「変って?」
「誰かに見張られているとか、つけられているとか。」
「ええ、なんだそれ?」
「立樹さんは何も感じませんか?」
清水は一口ビールを飲むと、周りをこっそりと見渡した。
「どうしたんだ、清水。」
そんな行動を見る立樹は呆れ顔になった。
「私、不安なんですよ。昨日も俺の部屋が探られた気配があって。」
「探られた?おいおい、穏やかじゃないな。何か盗られたのか?」
「いえ、何も…」
「部屋が荒らされていたのか?」
「いえ、それも…」
「じゃあ、なんで探られたとわかるんだ?」
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