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1. 紋様はさいなむ -3-
立樹が清水の失踪を知ったのは、居酒屋で別れて二日後であった。
さらに、その日消防署に泥棒が入った。
侵入経路も脱出経路も不明で、盗まれたものも様々で警察も首をひねる奇妙な事件であった。
しかし、立樹は盗まれたものの中に清水のカメラが入っていたことを聞き、疑惑と不安が立樹の中で大きく広がった。
焼け跡にあった妙な紋様を撮ったカメラだ。
清水の失踪にも何か関係があるのではないか。立樹の脳裏にあの紋様が急にクローズアップされた。
自分のアパートに帰った立樹は、あるところに携帯をかけた。
「俺だ。立樹。夜分すまんな。」
『どうした?』
「実は見てもらいたいものがあるんだ。」
『なんだ?見てもらいたいものって。』
「これから写メで送る。話はそれからということで。」
そう言って、立樹はあるところに、焼け跡で撮った例の紋様の写真を、メールに添付して送った。
しばらくして、立樹の携帯が鳴った。
「俺だ。見てくれたか?」
『ずいぶん妙なものを送ってきたな。』
「何かわかるか?」
『う~ん、調べてみないとはっきりしたことは言えないな。』
「調べてもらえるか?」
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