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「おまえのことが気になって、一睡もできなくて。それで、わかったんだよ……」
唇を離して、彼が言う。
「何によ……」
「……その…好き……っていうことに…だ」
途切れ途切れの彼の告白に、顔が熱く火照ってくる。
「あっ、あの、あたしも、気づいた……」
赤らんで熱を持つ頬を両手で包んで、
「……浩平の話ばっかりしてるって言われて……それで、す、好き…なのかな……って」
やっぱりつっかえずに言うようなことはできなくて、同じように切れ切れに口に出した。
「……かな? って、なんで疑問形なんだよ?」
「だって、そんなにはっきりとはまだわからないっていうか……だけど、」
「だけど、なんだよ?」
「……嫌いじゃないのは、わかるから……」
私の返事に、彼がはにかんだ優しい笑顔を見せて、ぎゅっと身体を抱き寄せた……。
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