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「もう一回、キスしてもいいか?」
「もう一回とか何聞いて……バカ」
「バカバカ言うなや、バカ」
「バカばっかり言ってんのは、そっ、ち……っ!」
言葉の途中でふいにまた口づけられた。
「……二度も、した」
呆然としてキスされた唇を押さえる。
「二度もって、嫌なのかよ?」
「ううん」と、首を振る。海でのキスはつい拒んだのに、彼とのキスは少しも避けようなんて気にはならなかった。
「まさか、おまえとキスするなんて、思わなかったよ」
「それは、こっちのセリフだから」
これって、やっぱり好きってことだよね……と、改めて思う。
「相変わらず、可愛くないオンナ……」
「さっきは可愛いって、言ったじゃない……」
ちょっとムッとして唇を尖らせると、
「……ほんとは、可愛いって」
と、浩平がぼそりと口に出した。
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