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ラナにお人形を買ってあげても、だいたい全部脱がして
お人形さんをスッポンスッポンにしてポイ。
お人形は全裸のまま部屋の隅に転がったまま放置される。
それより外でお兄ちゃんのあとを追いかけて遊ぶほうが楽しいらしい。
そして毎日最後にはお兄ちゃんと喧嘩してどちらかが泣く。
家の前の桜並木が満開になり、家族でお散歩。
タクトの友達も遊びにきて、みんなで一緒にお散歩。
田舎なのでめったに車が通らないが、でもたまに通る時がある。
そういう時は危ないから娘のラナを抱っこする。
お兄ちゃんたちは田んぼの中の歩道を先に走って行ってしまった。
ラナも一緒に行きたいらしく、俺の抱っこから降りようとする。
車道を車がまだ通っていて危ないから、俺はラナをおろさないで抱っこしたまま桜並木を歩く。
お兄ちゃんたちは、どんどん遠くに行ってしまう。
ラナがさらに降りようとしてもがく。
まだ車が走っていて危ないから、俺はラナを強く抱っこする。
するとラナが言い出した。
「ピー、ピー、ピー」
なにが言いたいのだろうと思っていたら、最後までラナが言った。
「ピー、ピー、ビカチュ!!」
するとラナの口から唾が飛び出てきて、俺の顔にかかった。
そう、ラナは怒っていたのだった。
まだ小さいので唾を飛ばすことができなくて、ラナなりに「ピカチュウ」と言うと、唾が飛ぶことを発見したのだ。
それ以来、ラナが「ピー、ピー、ピー」と言い出したら慌てて口を押える。
唾を飛ばすなんて、そんな行儀が悪いことはやめさせないといけない。
今日もタクトがラナを呼んでいる。
「ラナーー」
しばらくすると・・・。
「ピー、ピー、ピー」
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