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幼馴染み
キツい日々だった。どうしたらいいのか分からなくて。
だからといって今もまだ、そのキツさは川底を見え隠れしながら、時折りチラッとその気配を感じさせている。
そんな中で、今日も私は生きている。
「真麻、歩くの早い」
「あゝ、ごめん鈴」
私は立ち止まり、友達が追い付くのを待った。
息をハアハアさせて鈴が来た。
「真麻、最近では以前にも増して歩くの早くなったね。何かあったでしょう」
「え、うん…..そうね、あったかな」
私は曖昧に答える。
そんなことで怒る鈴でさないのを知っているから。
「だと思った。このところ変だったもの。訊いても云わないことが分かってるから黙ってたけど」
「ごめん鈴」
私は頭を下げた。
本当に申し訳ないと思っている。
「真麻の性格は、だいだい知ってるつもりだから」
そう云って鈴は笑う。
彼女の笑顔は私の救いだ。
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