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同級生ならまだいい。隣のクラスもセーフにしておこう。しかし「部活の試合で対戦した隣の市の中学生」だの「受験の時隣の席だった」だの「七五三で一緒にお祓い受けた」だの、ほんの少しすれ違っただけの相手から「友達」だと言われ相談をされた。悪いがみんな覚えていない。覚えているわけが無い。
そんな調子で「昔の友達」というヤツが次から次へと現れた。離婚問題だの借金相談だの、どう考えても自分が悪いんだろと言いたくなるような相談ばかり持ち込まれた。それも「友達料金で」と。俺は友達だろうが法律を遵守するまでだ。
そんな毎日にうんざりしていたある日、我が事務所にそれは上品な美しい女性が訪ねて来た。
「久しぶり。私の事覚えてる?」
「……もしかして、夢華ちゃん?」
「わあ嬉しい。覚えていてくれたのね」
ふわっと、花が開くように笑ったその女性は、俺の小学生の時の同級生であり初恋の相手の夢華ちゃんだった。当時も可愛かったけど、今は更に磨きがかかり美しくなっていた。
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