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 体積を五倍に膨らませた桃香が、浮力を得て宙に浮いてしまう。それを見て驚きのあまり爆笑してしまうドリアン。 「力士みたいだぞ」 「ごっつぁんです! て、バカー!」  風に飛ばされてながらもノリツッコミをする余裕はある桃香。順調に高度を上げていく。 「うーん……ん? ちょ、ちょっとドリアン!? これやっぱまずいわ。助けてよ!」  超高層ビル。ヤシの木ビルディングの屋上に差し掛かり焦り出す桃香。 「無理だって。もう手が届かないし」  両手を挙げて降参のポーズを取るドリアン。その隣を少年が鼻を押さえ駆けていく。 「そんなぁ……このままじゃ私。大気圏に突入しちゃうよぉ!」 「なんとかして降下しろ。そうだ! 力を入れてみろ!」 「うーん……うーん……」  ぶびっ! 「あっ!」  桃香のケツから放屁が放たれた。体が前に進んだ。 「バカ野郎。降下してこいって言ってんのに! 上に尻を向けてかませよ!」 「だってぇ……上手くコントロールできないもん」
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