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「ケツが上を向いたタイミングで屁をしろ。そうすりゃ少しずつだが降下できる」 「難しいこと言うなぁ……まぁやってみるけど」  軽い口振りとは裏腹に焦燥の表情を浮かべる桃香。確実に上昇しつつあるのだから無理もない。ヘリコプターに衝突したらスムージーになってしまう。  ブワン! 「あっ」  おっと惜しい。さらに上昇する桃香。 「タイミング間違えちゃった」  舌を出しながら左手を頭の上に持っていこうとするが、膨張した肉体に阻まれる桃香。 「やる気あんのか? もうやめてしまえ」 「あっ、あの山、腐りかけたキウイみたい!」  ドリアンの叱責も、ブルーベリー程すら届かぬ位置まで上昇してしまった桃香。 「どうすれば桃香を救える?」  ポケットから取り出した梨をかじりながら、ドリアンは呟く。 「おい桃香! 萎む方法を考えろ!」  道端で発声練習をしていた警備員からぶんどった拡声器を手に、ドリアンが叫ぶ。
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