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ありきたりで面白みのない言葉だ。血の滲むような努力をして、どん底の絶望的な状況から這い上がり、成功をおさめ、多くの人から慕われているような人間が言っても心に響きそうにない。
紫煙を吐き出す。欠伸が出る。妻が窓を叩いて開けた。振り向くと、コーヒーを差し出してきた。
「ありがとう」
「今日はどれくらいまでやるの?」
「明日休みだから、時間いっぱいまで」
「先にお風呂入っちゃうよ」
「いいよ、先に入って、寝といて」
「うん。カップはちゃんと台所に浸けといてよ」
「了解」
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