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ハンバーと二度目のお迎え
一歳半の子供は、まだ幼児で大人用の物は食べさせられないと思った留美は、タブレットで検索してメニューはそのままでレシピを変える。
幸い現在アレルギーは無いという事だから
避ける材料は無いがコショウや刺激物は避
ける。
棚からカレー粉を出してきて付け合わせの
野菜を薄いカレー味に仕上げる事を考えるが・・寂しさと知らない場所だからか不安
そうにしている明彦くん。
動画サイトを契約していて良かったと今
日ほど思った事はない!
大好きだという番組の動画を再生して彼
が集中しだした頃にカウンターキッチン
から彼の姿を確認しながら留美は食事
を作りはじめる。
子供が食べやすい小さなハンバーグを作り
クマの顔になるように成型して目をオリー
ブの輪切りで作り人参で口を作る。
コンソメで煮た付け合わせの人参やジャガ
イモを軽くカレー粉をいれカレー風味にする。簡単なベーコンと玉ねぎのコンソメス
ープも用意して。
ハンバーグプレートの出来上がりという時に玄関のチャイムが鳴る。
子供を見ながら料理を作っていたから着信にも気が付かなかった。
愛子さんを連れて俊介が「すまん。大丈夫だったか?」と言いながら愛子さんに部屋に入るように勧める。
「すいません。ご迷惑おかけ・・「ママ」」
テレビに夢中だった明彦もママのお迎えに気がついてママに向かって走ってきて彼女の足にしがみついた。
「いい子でしたよ。ねっ。」
明彦にそう言うと「ねっ」とママの足にしがみつきながらも返事をしてくれる。
彼女のマンションは、意外に近いがそれでもあの荷物を持って10分はかかるから「送ってあげて。」と俊介に言うと荷物を見て「そうだな。」と言った。
ハンバーグを三人分をタッパーに入れて後は家でご飯さえあれば食べれるように用意したものを持って帰って貰う事にした。
「少ないかも知れないけど・・何か足してくれれば今日の分くらいにはなるかな?」
そう言って愛子さんに持たせると「いいんですか?」とかなり恐縮しているようだった。
「明彦くんもお腹すいているだろうし。旦那さんが待っていたら悪いから温めて食べて。」
「すいません。かなりイライラしているラインが来ていたので助かります。」
「そう。がんばりすぎないで。また出来る事があれば言って。」
「すいません。」
「バイバイ。」
愛子さんと明彦は、手を振りその後ろを荷物を持った俊介が送っていった。
荷物も愛子さんは、自分が持つと言ったが男手は使いなさいと言うと有り難うとやっと笑顔を見せてくれた。
20分ほどして帰ってきた俊介は「ただいま」の声が疲れていた。
「おかえり。どうした?」
「女性が子育てしながら仕事って普通は難しいんだな・・。」
そんなことを言いながら帰って来てすぐ部屋着に着替えて食卓の好物のハンバーグを見て嬉しそうにしてくれた。
色々あって遅い時間になったけど食事をしながら少し愛子さんの事情を詳しく聞く事にした。
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