逆恨ノ追跡者ー閉幕

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 藤岡は襲いかからせた黒狼達の死を見てわずかに息を呑み冷や汗を垂らすが、それでも仮面の下の好戦的な笑みは崩さない。 「ムカつくが流石だなぁ。だが、第一ウェーヴで満足すんなや。  まだ、勝負(蹂躙)は始まったばかりなのによぉ!!」  藤岡の声に呼応するように黒狼達の死骸が蠢き出す。すると切り飛ばされた首からは新しい頭が生え、残った頭の断面からは新しい体が生え始める。他の死骸も新しい手足を生やしたり切られちぎれた手足、その肉片一つ一つから黒狼たちは再生していきその牙を爪を崇人、狡挫僂へと向ける。  その数はゆうに先程の5倍はいる。 「………なるほどな、不死の狼を使っての物量攻めということか」 「その通りだクソッタレ!!そのオオカミたちは決して死なない。ダメージを与えてもそこから新しい狼を生み出し再生する!!テメーが食い殺されるまで無間に襲いかかり続ける!!お前の異能が規格外なのは認めてやるが、過去改変(それ)だって何発もできるわけじゃねぇだろ?!  だったら俺達がやることは持久戦だ!!テメーらが何もできなくなるまで圧倒的数ですり潰す!!!餓狼死時化(がろうししけ)!!!」 【グウウアアアアアアアアアアア!!!】 【【【ウォォォォォォォォォォオオオ!!!】】】  藤岡の怪言が響くと黒狼たちはその体中から鋭い刃を生やすと再び二人に向かって一斉に襲いかかる。更に今度は藤岡の隣りにいた瘰患も体全体をパンプアップさせ口内から牙を巨大化させると黒狼の間を通りながら急接近する。  今まで終始こちらの優位な状況であったためついに僅かに相手に流れが向いたことに舌打ちをするも素早く指示を出す。 「チッ……どうやら本体どっちかをを殺すしかないようだな………。狡挫僂、お前は雑魚どもを薙ぎ払え!俺はあの犬を討つ!」 「はーい、了〜解っ!!」    危機的状況にも関わらず愉快そうに指示を受けた狡挫僂はモーニングスターを鎖でぶん回しながら黒狼たちを弾き飛ばしていく。その間に崇人は体を低くした姿勢で走り自分のてから生み出した大ぶりの短剣逆手で持つと接近していた瘰患の頭部に向かって鋭い斬撃を浴びせる。  しかし瘰患は短剣を噛みつきで受け止め、動きが止まっている間に自分は自身の爪で切り裂こうとする。対して崇人は短剣をあっさり手放すと宙返りをし爪による斬撃を回避する。だがまだ追撃は終わらない。空中に浮いている崇人をチャンスと考えた黒狼たちは飛び上がり噛みつこうと大口を開け飛びかかる。 「狡挫僂!薙げ!!」 【ハイハイ、美少女使いが悪いっねぇ!!】  黒狼の牙が崇人に届きかけたその時、彼は狡挫僂の名を呼ぶと彼女は先程まで荒れ地で黒狼たちを蹴散らしていたにもかかわらず、一瞬にして崇人の隣に現れた。  そんないきなりのテレポートであったが、狡挫僂は特に驚いた様子もなくぬいぐるみモーニングスターの鎖を短く持ち素早く噛みつこうとしていた黒狼たちの頭をかち割る。その後そのままモーニングスターを地面へと叩きつけ着地点に待っていた黒狼たちを吹き飛ばすとその場に着地する。着地してからも黒狼たちは瘰患を中心として執拗に攻め立てるが、二人はそれを短剣とモーニングスターを使って悠々と捌いていく。  切り札を使ってなお攻めきれないというのが現状であるが、戦場から離れだ場所で経過を見ていた藤岡は仮面の下で凶悪な笑みを浮かべる。なぜならば、見つけたからだ。 (見えた、あのチートクソ野郎どもをぶち殺す策が!!)
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