Cheek Dyed Beginners1

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 いつも快活な朱南は、栗色のショートヘアが印象的な学級委員だ。彼女と羊はこの修学旅行を機に仲を深めたようだった。  目の前でしょんぼりと肩を落とす朱南に、私は思わず口を開く。 「私、ちょっと見てくるよ」 「え? そんな、わざわざいいよ~」 「案外迷ってるだけかもしれないし、どうせ暇だから。二人は先にトランプでもしてて」  二人でできるのなんてスピードぐらいじゃーん、と不服そうに述べた灯は、立ち上がった私に続けた。 「もー、ほんと過保護。そういうとこだよ、お母さんって言われんの」 「灯しか言ってないでしょ……」  別に羊のことだけが気がかりだったわけではなく、朱南の寂しそうな顔を見ていると、黙って座っているのも落ち着かなかっただけだ。  部屋を出て廊下を歩いていく。時々クラスの男子とすれ違うことはあったものの、羊の姿は見当たらない。  一体どこまで行ったんだろう、と肩を竦めた時だった。 「お、西本さん。やっほー」  ちょうどロビーに差し掛かったところで、前方から片手を挙げ近付いてくる人影が一つ。  自分自身、やっほー、と返すキャラではないし、彼とそこまで仲は良くないと思う。小走りで距離を詰め、私は開口一番、状況説明を行った。 「津山くん、羊のこと見なかった? さっき部屋出てって、結構経つんだけど戻ってこなくて」
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