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"ドラッグ以外で、ここに何をしに来たのさ?"
女は両手を上にしておどけて見せる。
「ここは、どこなの?ホテルに帰る道はないの?」
女は諦めな、と言ったように首を振る。
"バカなの?ホテルから出てきてこっちに来たの?そりゃ、戻れないよ"
「あなたは?あなたはどこから出入りしてるの?」
マリの切羽詰まった表情に、女は降参した。
"教えてもいいけど、あんた無事に帰れる保障ないよ?それでもいいの?"
「は、はい。お願いしますっ!」
女は脇に置いてあるリュックから紙とペンを出してサラサラと何か書き出した。
そして
"この通りに行ってみて。生きて帰れるとは思わないけど"
と笑った。
マリはその雑に描かれた地図的なものを見ながら歩き出す。
「あの角を右、ドアを開けて通路を・・・ダッシュ!?えっ、走るの?どうして?」
通路の突き当たりのドアまで走れ、と書いてある。
どういう事なんだろ?
マリは半信半疑でそのドアを開けた。
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