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「指、差すなって」
彼は笑いながらマリの手を下におろした。
「えっ?じゃあ、ほんとに!?本物の葉山迅さん!?」
マリはマジマジと彼を見つめた。
「ああ・・・ほんとだ!!この横顔っ!ほら、なんだっけ?月9ドラマの"君の居ない夜はなんとか"っていう役の横顔そっくり!!」
「"君の居ない夜は南の空を見よう"な?」
彼はまんざらでも無い表情で言った。
「そう!!それ!!私、あのドラマ好きだったんだぁ・・・リオナって主人公の子、切ない演技が堪らなくて。葉山さんの役・・・南くんに想いを寄せるんだけど、なかなか言い出せなくてっていう」
「で、2人はすれ違いはじめて」
「そうそう!一緒に年を越すはずだったのに運命のいたずらでバラバラになって。ああー、また観たくなっちゃったぁ」
マリは一気に喋ってから、一気に水を飲み干した。
葉山はそんなマリを見て笑った。
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