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「ご、ごめんなさい。あまりに、嬉しくて、つい・・・・」
クラがそんなマリを見て
"マリ!?どうして泣いてるの?"
とマリを母親のように抱きしめた。
"マリ、つらかったのね"
クラからは太陽みたいな匂いがした。
後から聞いた話だが、クラはフィリピン人と日本人の父母の間に生まれたらしい。
とても南国らしい明るいオーラを纏った女の子だ。
"泣かないでマリ。きっと何とかなるわ"
「ありがとう、クラ。いろんな事があり過ぎてパニックになってしまってて。今やっと安心したの」
"そう。大変だったのね。今日は安心して眠ったらいいわ。まずは美味しいものを食べましょうよ?ジン、マリと何か食べてきた?"
葉山は深緑色のソファに腰かけて
"いや、少し飲んだだけだよ。マリは水しか口にしてないはずだけど"
と言った。
「ええ。水しか飲めなくて・・・・」
"今は?何か食べられそう?"
クラは心配そうに聞いた。
マリは慌てて
「ペッコペコです!!」
と自分のお腹をさすった。
"ペコ!?"
とクラは不思議な表情をして葉山を見た。
葉山は笑いながら
"hungryなんだって"
とマリが言った変な日本語を通訳した。
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