デジGホテルで捕まえて

18/56
前へ
/56ページ
次へ
「ご、ごめんなさい。あまりに、嬉しくて、つい・・・・」 クラがそんなマリを見て "マリ!?どうして泣いてるの?" とマリを母親のように抱きしめた。 "マリ、つらかったのね" クラからは太陽みたいな匂いがした。 後から聞いた話だが、クラはフィリピン人と日本人の父母の間に生まれたらしい。 とても南国らしい明るいオーラを纏った女の子だ。 "泣かないでマリ。きっと何とかなるわ" 「ありがとう、クラ。いろんな事があり過ぎてパニックになってしまってて。今やっと安心したの」 "そう。大変だったのね。今日は安心して眠ったらいいわ。まずは美味しいものを食べましょうよ?ジン、マリと何か食べてきた?" 葉山は深緑色のソファに腰かけて "いや、少し飲んだだけだよ。マリは水しか口にしてないはずだけど" と言った。 「ええ。水しか飲めなくて・・・・」 "今は?何か食べられそう?" クラは心配そうに聞いた。 マリは慌てて 「ペッコペコです!!」 と自分のお腹をさすった。 "ペコ!?" とクラは不思議な表情をして葉山を見た。 葉山は笑いながら "hungryなんだって" とマリが言った変な日本語を通訳した。
/56ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加