終章

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 家事や料理の出来はただの叩く材料にすぎないし、固い床で座って食事や人格否定をするのも、二人が琉実菜をストレスの捌け口にしているだけだ。 一人の人間としてではなく、奴隷である。家事要員だ。 あの二人がよろず屋ななつ星に乗り込んできたのも、家事要員の琉実菜がいなくなっては生活が成り立たなくなるのを危惧(きぐ)したからだろう。 今、琉実菜は自分らしく、一人の人間として生きていく、大切な人と一緒にいる生活を始めたばかりだ。 なんとしてでも、琉実菜の人生を邪魔させる訳にいかない。 「ほ、ほんとーに、ゆうきさんは、やさしいんですね。何でここまでして、くださるんですか? 私は……」 占部瀬里香と浩平と関わりがあった人間。
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