4章

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「はい」 「さっきは言いすぎたわ。ごめんなさい。あなたはこれから後ろ指さされることもあるかもしれない。親の因果(いんが)は子に(むく)いるとか、占部家と関わりがあったからと正当化して、あなたを誹謗中傷(ひぼうちゅうしょう)する人がいるかもしれない。そういう人はいくらあなたが真面目に頑張っても何しても叩く。これからの人生、あなたが幸せになるかは、あなたの今後の振る舞い次第よ。いつまでも悲劇のヒロインになっちゃだめ」 「はい、わかりました! すずらんさん!」  何か吹っ切れたような顔になった瑠実菜にすずらんは安堵した。 「わかったわ。じゃぁ、これからどうする?」 「私、なんとしてでも姉――いや占部瀬里香と浩平から逃げたいです。関わりたくありません!」 「そうね。逃げる方がベストだわ。今、あの二人は追い詰めてあるから、ここには来ないと思うけど、バレるのも時間の問題ね……」  眉をハの字にしてしかめるすずらん。
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