5章

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 浩平は自宅の玄関を見るなり、郵便物の山に凍りついた。 「なーにー? こーちゃん?」 「とりあえず家に入るよ」  郵便物の山を抱えて家に入る。  リビングの机に郵便物を置いて一度ソファーに座る浩平。 「瀬里香。隣においで」 「わーい! こーちゃん大好きぃー!」  瀬里香は胸を押し付けながら、浩平の腕に絡みつく。 「なんだ……この山は……」  昨日の段階では郵便物が空だった。  チラシには『お前ら詐欺師』とか『今夜突撃します』とか悪口が書かれたものが入っていた。  全く心当たりのないダイレクトメール。  そして大判の封筒がいくつか入っていた。  チラシとダイレクトメールは捨てた。  気になるのが封筒類だ。 「なにー? この封筒? 開けていい?」  瀬里香は本人の承諾なしに勢いよく封筒を開ける。中身は数枚の書類。
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